ありがちな恋慕

現実はいつだって退屈/ようこそParadiceへ

王子様は懐石料理に女が必要

手越さんの会見、見た。全部見た。なんならTVにMacBookミラーリングして大画面で大音量でちゃんと全部見た。
お酒飲んだらすぐボーッとして眠くなっちゃうのでシラフで。その後のOPENREC配信も最後までちゃんと見たよ。

はあ。絶望だな。
一体私は8年間もこの人の何が好きだったんだろうか。
何に涙を流しながら彼のことを理解しようと努力していたんだろうか。

最初から魔法なんてかかってなかった、というか、高校3年生ぐらいの段階でこの人と全く価値観が合わないしステージ上以外の発言が割と無理なことに気付いてたのに「好きだから」という感情論で騙し騙しやってたものが全部消えてなくなった。

一番「ああもうダメだ」と思ったのは「懐石料理に男だけだとアレなんで女性連れてきてください」のくだりなんだけど、それはまあ追々死ぬほど言語化するので壁打ちに付き合ってください。

一夜経って多少整理されてはいるけれど、言いたいことがありすぎて、思うことがありすぎて支離滅裂だし5500文字も書いてるのに本当に言いたいことの1/100ぐらいしか書けなかったけど。読みづらくてごめんなさい。

円満とは

円満じゃないじゃん。
私は渋谷すばるさんがいた時代の関ジャニ∞が好きだったので、彼の退社も見ていたよ。
今と比べたら、その時の円満っぷりと言ったら。
そりゃメンバーやファンは円満な気持ちなんかじゃなかっただろうよ。でも番組内で最後のセッションをもうけてくれたり、諸々準備できるように事前告知をしてくれたり。

円満な人は退所日の夕方に突然「本日をもって合意契約解除しました」なんてならないし、「NEWS手越祐也」としてのファンへのコメントが無いのも(好きなアーティストをわざわざ手越祐也指名してFCの会費払ってたんだよこっちは)私的にはありえないなと思ったし、メンバーが退所を数日前に知るなんてありえない。

あと弁護士入れろと言われてる人も聞いたことねえや。


昨日の会見を見ている限り時系列はこう。


3月
契約更新。今回のコンサートツアー終了をもって(契約も鑑みて翌年の3月末の契約満了をもって)退所の意向を事務所の上層部とマネージャーに伝える。この段階でメンバーにはまだ言っていない。

3月21日
延期となったコンサート会場から中継を繋ぎ、TV番組で歌唱後、メンバーに退所の意向を伝える。
メンバーの反応は「4人でやりたい。けど手越さんの夢を止めることもできないよ」というような反応。

4月
医療従事者と食事。週刊文春で「手越キャバクラ」と書かれたのがこれ。

5月13日
グループでやっている連載ブログを更新。

5月15日
週刊文春にて医療従事者との女性を交えた会食が報じられる。
ジャニーズ事務所が展開しているSmileUp Projectの一環であるTwenty☆Twentyへの不参加が事務所から発表される。

2回目の外出報道。

5月26日
ジャニーズ事務所より無期限の活動休止が発表される

この間に弁護士を立てて欲しい旨事務所から通達される。
メンバーとの連絡や接触をやめてくれと言われたのでメンバーと話せなかった。
本来は6月末ということで話をしているが、双方で誤解を解いたり話し合った結果(これが言えないやつなんだろうな)6月19日でどうかと事務所側から通知が来たのでそれを手越さん側が飲み、調印、合意。

6月19日
合意契約解除。(退所)
Twitter開設

6月24日
会見


これのどこが円満だっていうのか教えてくれや、なあ。
「目と目を合わせて話さないと熱い話は伝わらないと思った」なら、それを「僕の夢のためとは言え外出してしまった」理由にするなら、駄々をこねてでも文春に撮られてでもメンバーと、そして事務所と、しっかり話さなくちゃいけなかったんじゃないのか。


意識高い系

私が今回の会見で一番がっかりしたというか絶望したのは、彼の価値観とジェンダー観に対する自分の抱いていた、そして「好きだから」で蓋をしていた違和感が丁寧に開かれて露呈していったこと。

「意識高い系」で、ずっと昭和のスポ根漫画みたいなこと言ってる手越くんは私が彼を知った2012年からデフォ仕様なんだけど、私は手越くんのその価値観と考え方が8年間ずっと明確に嫌いだった。というか、自分と対極にいすぎるし考え方の相違が地上とスカイツリーの展望台ぐらいヤバいの自覚してた。

でも困ったもんで手越くんのことが大好きだったので、彼の価値観を頑張って理解しよう、私も彼みたいに前向きになれるようになりたい、と自分の価値観を手越くんに寄せようと努力したんですよね。

でもね、無理ですわ。
結局無理だったの。手越くんが一時期激推ししてたアドラーの「嫌われる勇気」もあんまりピンとこなかったし、「一度きりの人生なんだから1分1秒でも悔いのないように生きなきゃ」って言われても、現実問題そう簡単に会社も社会も家族も自分も生きていけないし、もう全部、全部において「それができれば苦労しねえわ」の連続だった。

すーぐ「人生相談とか受けたい」「人生相談得意よ?俺ポジティブだから」「俺に相談してきた人みんな手越に相談して良かったて言う」って言うの、昨日のOPENRECでも何度も何度も言ってたけど、そうやって「自分は成功者でアドバイスしてあげる」目線なのがまずちょっと分からないし、TVやラジオで話してたことも全部全部ただの意識高い系で、浅はかで。それ聞くと自分とは決定的に違うってまた思い知るし嫌いになるから聞きたくなくて適当に聞き流したり飛ばしたりしてて。え、本当になんでファンやってたのよ私。

手越くんは「美意識の低い子は残念だと思う」とか「美のために努力している女性はすごい、リスペクトしてる」とか息をするように言ってたけど、周囲からブスブス言われ続けてどちらかというと「美しくない方」に分類される自分は鏡を見るたびにごめんと思ったし。

胡散臭いセールス聞いてる気分になったんだよ。
「本気で勉強すればプログラマーになって稼げます!学校に通っても稼ぎ方は教えてくれない!40日間で50万円稼げました!」的な。
渋谷の路上でキャッチセールスしてるアンちゃんの話し方そっくりだよ。なんだかな。


こんな会見の場面でもヘラヘラしなきゃだめか。
自分自身が作り上げた「ポジティブでチャラくてヘラヘラしてる顔がいいビックマウス」的なキャラクターに飲み込まれて、取り込まれたのか。


何より「昔から応援してる私には理解できたよ祐也くん!新規には分からないよね☆」的マウント戦争を繰り広げている彼の周囲を見て、ああやっぱ私ここにいられないわ、と思った。8年応援してたけどずっと分からなかったわ。というか、ずっと相入れなかったな。でも手越祐也さんのことを自らの価値観を曲げてまでお近づきになりたいなと考えたくらいには好きだった。それも本当の私なんだよな。

ステージ上の彼のことが大好きだった。でもステージ外の彼のことはずっと肯定できなかったし理解なんてまるでできなかった。いちファンが他人を理解するなんてできなくても、それでもいいと思ってた。

ダメかあ。じゃあやっぱ私には無理だあ。


女は飾りじゃないよ

手越さんの女性関係に関して、「子猫ちゃん」はもう嫌というほど痛い目を見てきたので
以下私があの話があちこち飛びまくる会見を聞きながら一生懸命リアルタイムで噛み砕いて書いてたもの。


Q:「手越ガールズ」が同席してたのか?どういう人なのか?「キャバクラ手越」は退所に向けての話し合いの場だったのか?

A:手越ガールズがどういうガールズなのかは僕も分からない。手越キャバクラも文春が勝手に付けた。男女共に大切な友達が居るので、男女問わず遊んでるだけ。手越キャバクラに関しては医療従事者の人と大きな個室で距離をとりながら意見交換会をしていた。相手方の先生に「銀座で4つ角で男だけもアレなんで誰か連れてきて」と言われ、向こうがご友人の女性を連れてきますと言ってきた。うつされても面倒くさいのでステイホームを守っていた女性を選んで連れて行った。


は?

何?どう言うことなの?1から10まで何も理解できないです。
これが当たり前のように食事相手から提示されて、当たり前のように実行する、その土壌がもうわからない。
「どうして大事な話をするのに女性が必要なんですか?」ってならない時点でもう全然わからない。
これが当たり前の生活してたんだったら、この人を「王子様だ」と思って応援してた自分のバカさ加減に呆れるし恥ずかしい。


まず「なぜ外出したか?」に関しては、「目と目を合わせて直接話さないと伝わらないと思った」から。令和やぞ。


次に「なぜ女性がいたのか?」に関して。
相手方の先生が「銀座で4つ角で男だけもアレなんで誰か連れてきて」と言われ、向こうがご友人の女性を連れてきますと言ってきた、と。

手越さんはもちろんだけどその先生も私は怖いや。
銀座で懐石料理を食べる時は男だけじゃダメなんですか。
ちょうどその日のブログ更新で現推しがブログでメンバーと2人で銀座で飲んでた時の写真出してたの何かの皮肉かと思ったわ。

で?医療従事者が?あの緊急事態宣言下で、あの時点では現役ジャニーズアイドルだった手越祐也さんに外に出てきてお食事しましょうと?
そんでその手越祐也さんが一世一代の大勝負に出ようっって話の時に「銀座で四角で男だけでもあれなんで知り合いの女性を連れて行きます」と?守秘義務〜!!そりゃ文春になんでもすっぱ抜かれるわ!無関係の女性をお飾りで連れて行くんだもんな!
これに対して「呼ばれてもいないのにジェンダーが〜とか言ってる女アホ」意見見たけど一生ソーシャルディスタンスですわ。そもそも行きたいわけなかろうよ。どんな名前の屈辱だよ。絶対嫌だわ。

極め付けは「ステイホームを守っていた子を選んで連れて行った」と。わざわざ緊急事態宣言を重く捉えて真面目に自宅にいた女性を外に出して感染リスクに晒したんか。マジか。懐石料理のお飾りのために?浅はかすぎんか?

信じらんない!と言いたいところなのだけど、ジャニーズの中のお兄さんたちって結構ジェンダー観ヤバめの人ゴロゴロいるから、あんまり何にも言えないな。ここまでひどいのは知らないけどな。


で、手越祐也さんは今までそうやって好き勝手やってきても守って、庇ってくれたメンバーとは目と目を合わせて熱い話もせず、懐石料理に女連れて行くからそっちも連れてきてねと現役アイドルに言う人と熱い話をして退所したんか。開いた口が塞がらんわ。

それでも、この人のことが本当に大好きだったんだよ。確かに大好きだったんだ。
猪突猛進で言ったら聞かないところも、好戦的な態度も、ビックマウスでもなんだかんだ本当にやれちゃうところも、たまに涙を見せてくれるところも、優しい笑顔も、キラキラの笑顔も、歌もダンスも。全部が好きだったから、手越祐也を理解しようとした。好きだったんだよ。




誰かを応援するのが怖いよ


正直な話をすると、今もう、誰かを応援するの怖いです。

とか言いつつちゃっかり別のジャニーズアイドルを応援しているのだけど、「このグループが好きかもしれない」と思った時にまず自分がしたのが「映像コンテンツやインタビュー、ドキュメンタリー等を見て価値観や振る舞いや言動をよく見る」「過去のスキャンダルから噂レベルのことまで全部調べ尽くす」こと。

石橋をバキバキに叩き割って、あらゆるその人の危険因子も全て把握して、「それでもこの人がいいや」「この人がもし何かをしても私は許せるだろう」と思うまで考えに考え抜いた結果、石橋を渡り切れて辿り着いたのが今の推しです。



前の会社にいた時、5時起き→7時出社→21時退勤→持ち帰り仕事→2時寝のループしながら、経理とトップに怒られながら、たった1人でWebショップ全部回しながら、上司に「上手くいかない、調子が悪いは甘え」「気が緩んでんじゃないの?」「女だから大変だよね」「若いとか初めては言い訳にならないから」と言い続けられて辛かった時に、寄りかかったアイドル(手越さん)が全く同じこと言っててマジで気が狂いそうでな。
蛇足だけど、女だから〜の蓋を開けてみたら子宮筋腫もあるし子宮内膜症だしで全然笑えてないのでおかしいと思ったら病院行ってね。無理しないで。

だから価値観が違いすぎる人を恋心にかこつけて応援するのは、いくら好きになっても出来ない。


もうあれを経験したくもないんだよ。と言うか、全部経験したくないよ。
撮られたお相手がアイドルやめてAV女優になるのも、未成年飲酒疑惑が出て同席した人が芸能界追われてるのも、荒野行動でアイドル辞めたいって書かれて不安になるのも、金塊強奪事件の犯人と写真撮ってて肝冷やすのも、感染症パンデミックの中で無関係の女性連れ出して「俺の夢のため」に食事に出られるのも、メンバーに何も話さずに退所して行くのも、全部嫌だわ。

だから、この人いいな、好きかも、と思っても、ああこの言動はちょっと受け付けなくて怖いなあとか、ああこんなことがあるのか怖くて応援できないなとか。普通アイドル応援したい時にそんなこと考えないしやらないよ。やりたくないわ。



それでも悲しいかな、2次元の誰かではなく、この世で息をして、自らの意思を持って行動していて、変わっていく姿を愛おしいと思いながら応援するのがどうしようもなく好きで。



私と価値観が近い人がいいな。優しい人なんだなと思える人がいいな。他人を思いやれる人がいいな。
上から目線じゃなくて、自分だけが可愛い人じゃなくて。
頭がいいかなんてどうでもいい、それよりメンバーや他人を思いやる人がいい。

その結果、この人なら生身の人間を応援することで発生する痛みを支払っても応援したいと思った人が、あなたなんだ。



もうこんなことで泣きたくない。